いまさら聞けないシリーズ

新型のレーザー治療も保険適用に

下肢静脈瘤治療の最前線
 足の血管が膨れてこぶのようになる下肢静脈瘤は40歳以上の8.6%に発症し、全体の患者数は1千万人以上とも言われています。命を左右するような病気ではありませんが、飲み薬などの治療方法はなく、自然治癒は望めません。
 最近では、従来の治療法に加え、レーザー治療が保険適用されるようになり、日帰り治療も可能になってきています。
 従来の手術(ストリッピング治療)では逆流している静脈を摘出するために太ももの付け根や膝周囲の2か所に約2~3センチの傷跡が残り、傷の痛みもしばらく伴います。
 レーザー治療の場合は、直接静脈の内腔からレーザーを照射し血管をつぶすため、膝周囲に2~3ミリのレーザーを挿入する傷跡が残るのみになります。その他のメリットとしては局所麻酔で治療ができるため日帰りでの治療が可能であり、早期の社会復帰が期待できます。
 デメリットは、2011年、下肢静脈瘤にレーザー治療が保険収載された当初から治療後の痛みと皮下出血がレーザー治療の問題点として検出されてきました。
 その原因として従来のレーザーは先端から前方にレーザー光が照射されており、静脈壁全周でなく、一部分のみに偏って熱が吸収され不均一な治療になっている為と考えられています。
 しかし、2014年5月に保険収載された新型レーザーは、レーザー光が側方360度に照射されるため静脈壁全周を均一に治療することができます。このことは病変部を均一に照射することができことを意味し、この構造により治療後の痛みや皮下出血が減少すると報告されています。

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