いまさら聞けないシリーズ

血管の病気-早期発見が大切-

血管の病気-早期発見が大切-

歩くと足がしびれる、痛む、冷たさを感じるなど、老化や運動不足のせいと思っていたら、血管の病気だったということがあります。

血管の病気は、初期に自覚症状が乏しいため、発見が遅れると、ある日突然、血管が詰まったり破けたりして、命に関わる怖い病気です。

生活習慣病が関わっていることもあるので、小さなサインを見逃さずに、定期的な健康診断や人間ドックを受けて、高血圧、糖尿病、不整脈、脂質異常症などを早めに発見し、生活習慣の改善がなにより大切です。


体の血管と働きは?

血管は、心臓と体の各組織へ血液を運ぶ管です。心臓から全身の組織へ血液を送る血管を動脈、全身の組織から心臓に血液を戻す血管を静脈、動脈と静脈の間をつなぐ血管を毛細血管といい、全身にくまなく張り巡らされています。


動脈

心臓から出る太い動脈を大動脈といいます。部位により上行大動脈・大動脈弓・下行大動脈(胸部大動脈と腹部大動脈)と呼ばれています。大動脈は、枝分かれして小動脈、細動脈と細くなっていきます。動脈を流れる血液は、酸素や栄養分を体の各組織に運ぶため、静脈に比べて動脈癖は厚く、弾力性があり伸縮性に富んでいます。


毛細血管

細動脈がさらに枝分かれした血管で、非常に細く壁の薄い血管です。臓器や組織の中に入り込んで、薄い壁を通して酸素や栄養分を供給し、二酸化炭素や老廃物を回収して、静脈へ送ります。


静脈

全身を巡ってきた血液を毛細血管から受け取り、細静脈、小静脈を経由して大静脈(上大静脈・下大静脈)から心臓に血液を戻します。静脈内は血圧が低いので、静脈癖は動脈より薄くなっています。血液が緩やかな為、停滞が起こりやすく、上肢や下肢の静脈癖には、逆流を防ぐ静脈弁が発達しています。


主な血液の病気は?

血管が病気になると、血液の流れが悪くなり、栄養分や老廃物が運べず、全身に深刻な状態が生じます。血管の病気は大きく分けると、「ふくらむ」「詰まる」「破れる」などが原因で起こります。

主な血管の病気には、下記のような病気があります。


動脈の病気

○脳動脈瘤

脳動脈の一部が瘤のように膨らんだ状態で、形は紡錘状の2種類あり、原因は先天性のものと、動脈硬化などによる後天性のものがあります。脳動脈瘤が破裂するとクモ膜下出血を起こします。

○モヤモヤ病

脳に酸素や栄養などを送る太い脳動脈がつまり、周りからモヤモヤした細い血管が発達する病気です。原因は不明ですが、10歳以下と30歳代に多く発症し、10歳以下では脳梗塞など、30歳代ではクモ膜下出血や脳出血などの症状が見られます。

○大動脈瘤

大動脈の一部が龍のように膨らんだ状態で、形は紡錘状と嚢状の2種類あり、横隔膜の上にできると胸部大動脈瘤、横隔膜の下にできる腹部大動脈瘤といいます。瘤が破裂すると、突然の激痛と共に大量出血を起こし、命に関わります。高血圧と動脈硬化などが主な原因ですが、瘤が破裂する前は自覚症状が乏しいため、定期的な健康診断などで早期に発見できることが大切です。

○大動脈解離

大動脈の壁に亀裂が入り、血管壁が内膜と外膜に分離された状態です。発病するまでは、ほとんど無症状ですが、解離が起こると胸や背中に激痛が起こり、突然死をすることもあります。高血圧の人や大動脈解離になった親族がいる人は、気をつけて定期的に検査を受けましょう。

○閉塞性動脈硬化症

動脈硬化が進行して足への血流が不十分になり、歩行障害をきたす病気です。初期は、歩くと足にしびれや痛みがあり、悪化すると安静時にも痛みが出て、足の指などが壊死します。ヘビースモーカー(過度の喫煙者)や糖尿病の人に起こりやすい病気です。

○レイノー病(レイノー症候群)

若い女性に多く発症します。寒冷やストレスなどに反応して、手足の小動脈が発作的に収縮し、血液の流れが悪くなって蒼白、チアノーゼ、痛み、しびれなどの症状が現れる病気です。

原因が不明の場合は、レイノー病、外傷や動脈閉塞疾患、膠原病などが原因になっている場合をレイノー症候群といいます。


静脈の病気

○下肢静脈瘤

下肢の静脈弁が壊れて、脚の静脈が太く浮き上がってくる病気です。女性に多い病気で、だるさ、むくみ、筋肉の痙攣などが起こることもあります。症状が長期化すると、皮膚の色素沈着がみられたり、潰瘍ができることもあります。原因は、加齢、長時間の立ち仕事や座ったままの旅行など、血液がうっ滞しやすい姿勢を続けることから起こると考えられています。

○静脈血栓塞栓症

足の静脈内に血栓(血液の塊)ができる病気を深部静脈血栓症といい、静脈内の血栓が、肺動脈に運ばれると急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を起こします。急性肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症は関係が深く、合わせて静脈血栓塞栓症といいます。深部静脈血栓症では、下肢の腫や下肢痛など、急性肺血栓塞栓症では、息苦しさ、胸痛、失神、動悸などの症状が見られます。長時間座ったままの旅行、デスクワーク、手術などで起こりやすく、高齢者に多く発症します。


血管の病気の主な検査は?

血管の病気の主な検査には、下記のような検査があります。

超音波検査(エコー検査):体の表面に超音波発振器を当てて、主に体の浅いところの血管や壁や血液を画像化して調べる検査です。

CT検査・MRA検査:主に脳血管、大動脈などの深部血管の形状を調べる検査です。

血管造影検査(カテーテル検査):血管内にカテーテル(細い管)を通して、造影剤を注入し、エックス線撮影を行って、主に血管の狭窄の有無などを調べる検査です。


一口メモ

適度な運動は血流を早め、血管の内側の壁を刺激し、血管を広げる物質を増やしたり、縮める物質を減らしたりして血管の若さを保つため、血管の健康づくりに有用です。しかし運動中に適切な水分補給をしないと血栓ができ、逆効果になります。

運動中は、必ず適切な水分補給を行いましょう。

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