いまさら聞けないシリーズ

医療用弾性ストッキング

医療用弾性ストッキングは普通のストッキングとは違い、足を圧迫する特殊な編み方でつくられた医療用ストッキングです。圧迫力が足首から心臓方向へ段階的に弱くなる「段階的圧迫法」に基づいた構造をしており、血液が心臓へと戻りやすくなることで、下肢静脈血の還流を良くする働きがあり、肺血栓塞栓症の予防や下肢静脈瘤※1、リンパ浮腫※2、深部静脈血栓症※3の治療などに使用されています。用途や症状により、サイズのしっかり合ったものを選択する必要があります。
以下に、弾性ストッキングが保険適応になる「四肢のリンパ浮腫治療」と「肺血栓塞栓症の予防」の2通りのケースを紹介します。

①リンパ浮腫
「四肢のリンパ浮腫治療のための弾性着衣等に係る療養費」として弾性ストッキングの購入費用が、平成20年4月1日から医療費の支給の対象となっています。(保医発第0321001号 平成20年3月21日)
なお、弾性スリーブ、弾性グローブ、弾性包帯も対象に含まれますが、詳細は上記通知のほか、同日付けの保医発第0321002号を参照してください。

【支給対象となる疾病】
リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍(悪性黒色腫、乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍、子宮悪性腫瘍、子宮附属器悪性腫瘍、前立腺悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器系の骨盤内のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍)の術後に発生する四肢のリンパ浮腫

【弾性着衣(ストッキング)の条件】
支給対象は、30㎜ Hg以上の弾性着衣(関節炎や腱鞘炎により強い着圧では明らかに装着に支障をきたす場合など、医師の判断により特別の指示がある場合は20㎜ Hg以上であっても差し支えない)

【支給回数】
1度に購入する弾性着衣は、洗い替えを考慮し、装着部位毎に2着まで購入後6ヵ月経過後に再度購入された場合は、療養費として支給可能

【支給申請費用の上限】
弾性ストッキング:28,000 円/1着(片足用の場合は25,000 円)

【支給申請に必要な書類】
・療養担当に当たる医師の弾性着衣等の装着指示書(装着部位、手術日等が明記されていること。)
・弾性着衣等を購入した際の領収書又は費用の額を証する書類

②肺血栓塞栓症の予防
入院中の患者であって肺血栓塞栓症を発症する危険性が高いものに対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、弾性ストッキングを用いて計画的な医学管理を行った場合に、入院中1回のみ肺血栓塞栓症予防管理料(305 点)が算定できます。(保医発第0227001 号 平成16 年2月27 日)


用語解説
※1下肢静脈瘤:いろいろな要因で静脈の弁が壊れたり、弁がしっかりかみ合わなくなって、血液の逆流を防止できなくなったときに起こる病気です。
※2リンパ浮腫:乳がんや子宮がんなどの手術で脇の下や足の付け根のリンパ節を切除したり、放射線治療によりリンパ管が細くなったり、途切れたりすることで、リンパ管の流れが悪くなり、リンパ液が皮下に溜まる病気です。静脈やリンパ管の流れが滞ると、細胞間に水分が溜まるため、むくみが起こります。内臓の病気が原因で起こる場合は両足が同じようにむくみますが、静脈やリンパ管の病気が原因の場合は、病気のある側だけに起こります。また、足だけではなく手や腕も起こるのが特徴です。
※3深部静脈血栓症:静脈の血流がうっ滞して、下肢の深い部分にある静脈に血液の塊(血栓)ができ、血液の流れ自体が悪くなってしまう病気です。飛行機の中などで長時間同じ姿勢で座ったまま足を動かさない状態が続くことで深部に血栓ができる「エコノミークラス症候群(ロングフライト症候群)」、「旅行者血栓症」も原因は同じで、席を立つなど足を動かしたときにその血栓が血流にのって肺動脈に流れ着き詰まってしまうので、肺血栓塞栓症に属します。深部静脈血栓症に弾性ストッキングを使う場合は、膝下丈よりも大腿丈の方が予防効果があることが実証されています(CLOTS(Clots in Legs Or sTockingsafter Stroke)Trials Collaborationの研究者らによる大腿丈と膝下丈と比較した無作為化試験)。

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